ナショナルBCLラジオ|クーガ2200

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クーガー2200とは

1970年代から80年代初頭にかけて、海外の放送を短波帯で受信することを主な楽しみとした「BCL」が大ブームでした。それを支えたのは海外の放送と、言うまでもなくBCLラジオです。海外の多くの放送などの通信電波の混信にまみれた放送をいかに受信するか、受信できるか…そんなスリルがブームに火をつけたのでしょう。そんなBCLラジオの中で、大変人気のあった松下電器のクーガー2200を紹介します。当時もっとも憧れが強く、またアナログラジオの集大成とまで言われたBCLラジオです。

クーガー2200正面

当時のBCLブームを語る上で必ず話題に上るのがナショナルのクーガー2200です。それまでのクーガーシリーズの集大成であり、クーガーシリーズ最後のアナログBCLラジオでもあるのです。クーガー2200以降はデジタル周波数表示のプロシードが次々と発売されています。

クーガー2200は人気も高かったことから製造・販売期間が長く、コスト低減や性能アップのためのマイナーチェンジを繰り返しており、外観、回路とも細部で違うものが何種類か存在しています。

RF-2200/クーガー2200の特長

  • SWは中間周波数1.985MHzと455kHzのダブルスーパー方式を採用してイメージ混信特性を大幅に改善
  • 周波数読み取り精度10kHz(5kHz)
  • 周波数直線(リニアスケール)ダイアル
  • FM・AMのチューナー回路は完全独立構成
  • 高周波増幅回路にFETによるソースフォロア回路を採用し混変調特性が改善
  • Narrow/Wideの選択度切替えを装備
  • MW用最適指向(回転機構つき)ジャイロアンテナ搭載

RF-2200/クーガー2200の主な仕様

  • 機種名:RF-2200
  • 定価:34,800円
  • 大きさ:318W×188H×100D(mm)
  • 重さ:3.4kg(乾電池を含む)
  • 受信周波数:8バンド
    1. FM:76~90MHz
    2. MW:525~1605kHz
    3. SW1:3.9~8MHz
    4. SW2:8~12MHz
    5. SW3:12~16MHz
    6. SW4:16~20MHz
    7. SW5:20~24MHz
    8. SW6:24~28MHz
  • アンテナ
    • MW:フェライト12φ×180mm
    • SW、FM:7段ホイップ963mm
  • スピーカ:10cm径
  • 使用半導体:4IC+2FET+28TR
  • 使用半導体数はマイナーチェンジで変化している。

クーガー2200の機能/機構

MW専用のジャイロアンテナ

MW帯の受信についてもSW帯に負けない感度と快適性を実現するために設けられている。ラジオ自身を回転させず、バーアンテナだけを回転させて最良の受信状態にしたり、混信波が弱くなるように利用することができる、大変便利な機構である。

クーガー2200ジャイロアンテナ

内部にはMW用のバーアンテナが内蔵されているが、使われているフェライトコアはライバル機といわれるICF-5900に使われているものよりも直径も太く、エアバリコンとの組み合わせて非常にQの高い(選択度の高い)同調回路を実現している。

ジャイロアンテナには回転角の目盛もあるほか、回転させるとカリカリとクリックする音が出る。

周波数直線ダイアル

通常のラジオはAM専用機でも同様だが、周波数が高いところほど目盛が詰まっている。これは同調回路に用いられるL(インダクタ)とC(コンデンサ:通常はバリコン)の共振周波数fが1/(2π√LC)で求められること、そしてバリコンの羽の重なり面積がメインチューニングダイアルの回転数に「比例」していることによる。

クーガー2200の周波数フィルム

クーガー2200の周波数フィルムはFM、SW、MWいずれも周波数表示の間隔は一定である。クーガー2200のバリコンは羽の重なり面積がメインチューニングダイアルの回転数に対して指数的に変化する形状にすることで、低い周波数から高い周波数まで等間隔の目盛、つまりリニアスケールを実現している。

クーガー2200のバリコンは羽の重なり面積がメインチューニングダイアルの回転数に対して指数的に変化する形状にすることで、低い周波数から高い周波数まで等間隔の目盛、つまりリニアスケールを実現している。

クーガー2200の操作/受信方法

11815kHzを受信することを目的とする手順を以下に示します。

  1. SWバンドセレクタスイッチでSW2(8~12MHz)に設定し、メインノブでSWスプレッドダイヤル目盛りを0にする。
  2. 500kHz/CALスイッチをON。
  3. メインノブを回して、およそ11.5MHzにしてマーカ音をゼロビートとなるように最後はゆっくりメインノブを回す。(ゼロビート:メータは振れているが音が無い状態)
  4. 500kHz/CALスイッチをOFF。スプレッドダイヤル目盛りが250になるところまでメインノブを回す。この状態でほぼ11750kHzを受信している。
  5. 125kHzおよび500kHz/CALの両スイッチをON。11.750MHz(スプレッドダイヤル目盛りは250)でゼロビートとなるようにメインノブをゆっくり回す。
  6. 両マーカのスイッチをOFFしてメインノブを回し、スプレッドダイヤル目盛りを315にする。この状態で目的の11815kHzを受信している。スプレッドダイアルは、マーカが500kHzステップで発振しているため、500目盛りとなっている。その結果500+315=815kHzとなる。
RF-2200正面パネル操作部

クーガー2200の使い勝手

デジタル表示機では目的の周波数の数字に合わせるだけでほとんどの操作が完了するが、クーガー2200では前述のような手順を踏んで初めて目的の周波数を5kHzで直読できる。面倒にも思えるこの操作が逆にBCLラジオを操っている楽しみを与えてくれる。いまだにアナログ機に人気があるのは、この独特な操作が必要であることに他ならない。

受信音は混信やノイズが少なければ大きなスピーカやケースの効果もあり、明瞭な音で放送が受信できる。混信が気になればNarrow/WideスイッチをNarrowにすることで、音の帯域は狭まるが、ある程度混信がから逃れられる。

アマチュア無線バンドではモガモガという音声らしきものが受信できる。これはSSBという電波のモードなので、クーガー2200のBFOスイッチを入れ、聞きやすい音になるようにゆっくりとメインノブを回す。

クーガー2200の周波数安定度は、内部の発振器に水晶振動子を用いず、コイル(L)とコンデンサ(C)を利用しているので時々刻々と周波数がずれてしまう。ただしメインスイッチを入れて30分程度受信していればおおむね安定する。これを補う意味でも水晶振動子を用いているマーカを頻繁に使用すべきである。

クーガー2200の大きな特徴の一つでもあるMW専用のジャイロアンテナは、通常聞きたい放送が最も良く聞こえるように回転させるが、混信などがある場合は聞きたい放送はやや弱くなるが混信が最も少なくなる角度に回転させるという使い方もできる。ジャイロアンテナの内部はMW用のバーアンテナが内蔵されているが、バーアンテナ部分だけを回転させることができる機能は他の競合メーカには無く、大きなアドバンテージとなっている。

RF-2200とアンテナカプラRD-9810

クーガー2200にはデザイン的にもマッチしたアンテナカップラRD-9810も販売されていた。簡単なワイヤアンテナでもRD-9810を介してクーガー2200に接続すればアンテナとのマッチングを取ることで目的の放送波をより強力に受信できるだけでなく、目的外の周波数の強力波は除去され混変調に悩まされずに済む。RD-9810のデザインはクーガー2200専用になっているが、他メーカのラジオを含め、アンテナ端子が備わっているBCLラジオであれば利用できる。

ブームに乗った形でクーガーやその後のプロシードシリーズで使用できるオプションが多数販売された。ラックから各種アンテナなど様々である。常に競合の立場だったSONYもスカイセンサーシリーズでユーザーを増やしていたが、より本格的にBCLを楽しむ人はおそらくクーガーを選んだに違いない。

author JM1DTF

presented by LUNA-WEB and LEAF-LABEL